Lumberman103’s blog

外材特に北米材アメリカ、カナダ材については日本一のスペシャリスト

初めてのアラスカの無人島

新しいアメリカ大手木材会社と取引が増えて担当者とウマが合い仲が良くなった頃にアラスカの無人島に行かないかという話がでた。これはアメリカ木材のホワイトファー(製品にすると白っぽい木)が量が揃わなくなり、代替としてアラスカのホワイトスプルースを使用しないかという話だ。日本ではマンションの建築部材は白っぽい木材製品が好まれていた。シアトルからアラスカに飛行機で飛び、そこから水上飛行機で島の名前は忘れたが無人島に飛ぶ。無人島なので港の設備もなく道路も完備されていない。水上飛行機は水の上に浮くのでどの場所からでも上陸できる。上陸すると車🚗で島の木材を視察した。それまではホワイトスプルースは日本にあまり輸入されていなかったため少し不安があったが輸入することを決断した。理由は、この無人島から輸入するのは日本で我が社が初めてで、先駆者というのはその権利が一番になること、それとコチラの希望のサイズと長さにカスタムカットしてくれるというサービスつきだからだ。径級は20〜30cm長さは10.8mと12.2mにカットしてもらえた。何故10.8mと12.2mかというとマンションの建築部材の長さが2.7mでその3倍の長さ、一般建築は4mでその3倍の長さということで無駄がない。径級が20〜30cmなのは建築部材が小割りのため節の小さい物を好むためだ。これなら輸入すると製材所の顧客に喜ばれるという判断で輸入を決意した。この判断じたいは成功するが一つ予想しなかった問題がおこった。

アラスカまで積み込みのため船🚢をまわすのだが無人島なので港湾設備がないため船を沖にアンカーで停めて海上から木材の束を船のクレーンで積み込みを行なう。そのため海上が荒れると積み込みが出来ないため中止になる。アラスカは1年を通してよく天候が荒れるため積み込みが遅れると契約上は天候のためでも罰金が生じる。契約にもよるがその時期1日遅れるたびに150万円の罰金が生じた。天候だけは誰にも分からない訳だから運を天にまかせるだけだ。

なおアメリカは港湾設備がしっかりとしていて岸壁から積むため何の問題もない。