Lumberman103’s blog

外材特に北米材アメリカ、カナダ材については日本一のスペシャリスト

アメリカウッドショクの歴史

アメリカで40年の間に木材のウッドショクは3回起こった。一回目は1992年に環境保護問題でフクロウ🦉が見つかれば、その一体の木材を伐採できない。また国有林や州有林は伐採に規制がかかり、私有林でないと自由に伐採が出来なくなった。これによってアメリカの木材価格が2倍になり、特に安い木材ほど値上がりが大きかった。この時は私が30歳でアメリカに一人で木材の買い付けをして2年目ぐらいだったのでよく覚えている。2回目は2006年で中国🇨🇳が経済発展による木材買い付け増加、それによる海上船運賃の高騰、またアメリカの住宅サブプライムローンのバブルによる住宅ブームでの木材高騰が起こった。

3回目は2021年のコロナによる世界的な金融緩和のバブルとロックダウンによる供給減や船運賃の高騰や記録的な円安が重なり木材や木材製品が高騰した。

しかしこの3度のウッドショクの後、暴落することになる。歴史は繰返される。

世界最大のアメリカ木材会社パート2

世界最大のアメリカ木材会社🇺🇸ウエハウザーの裏話なのだが、ある日本大手商社がウエハウザ本社で打ち合わせをしている時に外人の担当者が大きな机に靴をはいたまま片足を掛けるポーズをしながら話をするのに立腹して怒ったことが理由で取引が無くなったと聞いた。その会社は今になっても取引がないそうだ。これは靴を脱がないアメリカと日本の文化の違いでもある。25年ぐらい前だったと思うがウエハウザの副社長クラス(環太平洋地区のトップ)の就任パーティーが東京の帝国ホテルの一番広い広間で行われた。私は招待されたのだが人生で一番豪華で最高のパーティーであったことを記憶している。広間に入場する時に入口の両サイドに着物を着た綺麗な女性が50人はいただろうか。広間には就任する人と退任する人がいるのだが、この人の横には着物を着た女性が4mの高さの棒の上に大きな花🌸がつけてあるのを持っていて目印にしてある。1000人以上のパーティーであるので名刺交換する場合に遠くからでもここにいることを分かるようにしてある。私も名刺交換するために並んだのだが30人ぐらいが並んでいた。そして後を見るとどこかで見た事がある顔だなと思うと、なんと元海部総理大臣であった。元海部総理大臣は木材関係に知識があったようだ。なお料理や司会進行は言うまでもなく最高だった!

続く

世界最大のアメリカの木材会社

世界最大のアメリカの木材会社はウエハウザーである。日本に輸入される北米材の圧倒的シェアを持っている、昔は中堅木材会社が多くあり50%ぐらいだったが現在は80%以上か。本社はワシントン州シアトルにあり売上高は1兆5000億円、利益も1000億円以上ある。木材丸太輸出港は主にロングビュー、タコマである。この会社のビジョンはしっかりしており計画的に山に松など針葉樹を植林して70年サイクルに伐採しても永遠に供給できるようにしている。

そして毎年の伐採量も計画的に行い価格が上がり利益が出るからといって多く伐採することはない。会社の経営を長いスパンで考えているのだ。またアメリカ以外にも環太平洋の国でも山林を持っている。カナダ、オセアニア地区、南米、一時的にロシアなど、一時は日本の山林にも興味があったと思う。

取引先も数社と決めると、それ以外の会社とはよっぽど時代の変化がない限り取引先しない。本社で担当者と打ち合わせするのも大変である。二重、三重の予約やセキュリティがあり、やっとのことで仕事の打ち合わせになる。しかし最終的に我が社は取引先に選ばれた。このことは少し自慢にもなるが大変誇らしい事であり光栄なことでもある。

続く

木材船の海上保険パート2

木材船の保険が適用される期間というと、何度か聞いたことがあるがアメリカに船が到着して船積みが始まってから積み終わり日本に出港し、日本に到着して全ての木材を降ろし終え、全ての木材を搬入し終えるまでの期間である。ただ保険を掛ける最大の理由は船が沈没した時の損害金額のためである。

木材船の海上保険

アメリカ🇺🇸から木材丸太船に積み込み日本に輸入する時に海上保険を必ずかける。船🚢の荷物が無事に日本に着くまでの保険である。金額にするとその時の相場によるが1船約6億円である。船に木材丸太を満船に積み込みワイヤーをかけて荷くづれしないようするのだが、①嵐で船が大きく揺れてワイヤーが切れ木材が海に落ちる場合がごく稀にある。②また輸入されているはずの木材が積まれてない場合。これは積み込む前に船側まで木材の束を引っ張っていく時に木材が束から抜けてしまうケースである。③最悪のケースは船が沈没してしまい全金額損失する場合である。我が社では①が2回、②が1回、③は無かった。車🚙の事故と同じで損害金額によって保険を請求するかどうか決める。また無事故が続くとかける保険金額がどんどん下がっていく。場合によっては、これからの保険金額が上がってしまうので請求しない方がいいケースもある。我が社の場合①の2回の内、一回だけ請求したことがある。この時に余りにも保険金額が入るのに時間がかかり、保険会社を変えた苦い思い出がある。

アメリカでの木材積み込みのトラブル

ワシントン州シアトル近辺の木材積み出し港は有名な順番にロングビュー、タコマ、ポートアンジェルス、エバレット、オリンピア、アストリア、アナコーテスといったところか。他にはオレゴン州ポートランド、クースベイがある。木材積み込みのトラブルはいろいろあるがアメリカのこのエリアは天候が荒れることはまずないので天候の心配ない。たまにあるのが海面とか川から木材の束を船のクレーンで積む場合、束が大きすぎるのと木材か水分を吸っていることで上がらないケースがある。この場合束をばらして積むしかないのでタイムロスになる。クレーンが壊れて修理しなければならない場合も時間がかかればタイムロスになる。しかしこれらのことは小さい問題で解決に大きな時間はかからない。飛び抜けて大きな問題は5〜10年ごとに起こり得るアメリカ港湾ストライキである。予想がつかないしいったん始まると、いつ終わるか分からない。契約では船をチャーターした側の責任になるので大変である。

例えば1日150万円の罰金で30日ストライキが続けば4500万円の損になる。3日で終わるか60日続くのか誰にも分からない。最大限の情報を集め船🚢をキャンセルするかストライキが終わるのを待つか決断しなければならない。一世一代の決断である。船の入港日を計算して決めるのだが、記憶ではたしかストライキは長く続かないと判断して大損はしなかったと思う。たしかストライキは生涯アメリカで2回カナダで1回あった。

アメリカでの木材積み込みの話パート2

アメリカの港湾荷役会社ジョーンズの副社長Tは有名人で昔は外国船南米航路が一番華やかな頃、日本の大手船会社で働いていて何かの縁でシアトルのジョーンズに勤めるようになり、カナダの日本大使館長の娘さんと結婚してシアトルに住むようになる。また一時はシアトル日本人会の会長もしていた。仕事の話に戻るがアメリカで木材を満船に積み込みするのに、積み込む港湾設備の状況、陸上か海面から積むのか、木材の品種やサイズによって違ってくるがだいたい7日間ぐらいかかる。船会社の契約によって早く積めば安くなり、遅くなれば1日150万円の罰金がかかってくる。という理由で出来る限り早く積み終えなければならない。また船会社の契約は1船🚢一航海の金額なので木材をたくさん積めば積むほどコストは安くなるので限界まで積む。また木材の品種、品質のグレード、サイズなど40種類ぐらいあり積む時に混ざらないように境界にロープやペンキを使い目印にする。積み込む積み方順番も全て私が指示していた。そして木材を最短最大に積み込むプロに依頼する。この仕事の名前がスーパーバイザーかどうか思い出せないが決まった人がいた。それが職人ジョン シビッコビックだ。アメリカで木材積み込みする場合、父親の時から自分も全てこの人に信頼して任せていた。船の中の少しの隙間なく木材を積み最短時間で出航させるプロ中のプロ!

続く